北海道のうには4種類
カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)、このわた(なまこの腸の塩辛)、そして「うに」は、日本の三大珍味と称されています。
日本国内で食用とされているうには、キタムラサキウニ、ムラサキウニ、バフンウニ、エゾバフンウニの主要4種類で、北海道ではすべてのうにが漁獲されています。
すべての種類のううに漁が可能なことからもわかる通り、国内の最も主要な産地は北海道とされ、中でも積丹、利尻島、礼文島が特に有名で、国内外から旬のうにを求めて多くの人々が訪れます。
国内食用うにの約半分が北海道産
国内のうに生産量のおよそ半分を占める北海道は、広大な面積があり、3方をそれぞれ違う海に囲まれています。
日本海、オホーツク海、太平洋と3つの海に接しているため、それぞれの海域・漁場ごとに生息しているうにの種類も、漁獲可能な漁期や旬も異なります。
北海道のうにの漁期はほぼ一年中
3つの海に接し、広大な大地を誇る北海道では、ほぼ1年を通してうに漁が行われています。
北海道のうにの漁期と主な漁場
漁期 | 主な漁場・漁港 |
1月中旬〜6月 | 羅臼 |
3月下旬〜5月 | 襟裳・日高 |
4月〜6月 | 礼文島・雄武 |
6月〜8月 | 利尻島・礼文島・積丹・小樽・岩内 |
5月〜7月 | 江差 |
7月〜8月 | 奥尻島 |
9月末〜11月 | 松前 |
11月〜5月 | 松前 |
※小樽は例年5月下旬頃に解禁
※4種類のうにで、漁期設定が異なることがあるため、同一地域でも漁期が異なります。
北海道でも最高級とされるうに
北海道では一年を通じてどこかの漁場でうに漁が行われていますが、中でも最高級とされるのが6月から8月に時期を迎える日本海側のエリアです。
この日本海側のうにのうち、積丹方面は古平・余別・美国・日司があり、それぞれ漁期が異なる場合があります。
漁場別 主なうにの種類
エリア | 漁獲される主なうにの種類 |
利尻島・礼文島 | ムラサキウニ・バフンウニ |
天売島・焼尻島 | キタムラサキウニ・エゾバフンウニ |
積丹 | ムラサキウニ・バフンウニ |
岩内 | キタムラサキウニ・バフンウニ |
奥尻島 | キタムラサキウニ |
松前 | キタムラサキウニ |
羅臼 | バフンウニ |
襟裳 | エゾバフンウニ |
日高 | エゾバフンウニ |
※主に漁獲されるもので、掲載以外の種類も漁獲される場合があります。
現地でおいしい「うに」を食べるには
1.前日までの天候が重要
うに漁は、漁師さんが小舟に乗って、覗き眼鏡で海中を見ながら、同時に舵を操作し(足などで行う)、長い棒の先に付いたタモ(小型の網)や鈎でひとつひとつ丁寧に捕獲します。
したがって、海底にいるうにが視認できないと、獲りようがないのです。
つまり、降雨や強風などによるシケで、海中が濁ってしまっている間は漁ができません。
うに漁は主に早朝に行われるため、当日の天候は雨であっても、前日夜まで天候が安定していた状況であれば、出漁している可能性が高くなります。
もちろん、お天気が良い日が続いていれば、安心して行くことができます。
2.売り切れは早い
全国的に著名な積丹などは、うに漁解禁中には大変多くの観光客の方々が訪れます。
漁獲制限もあり、ふんだんに提供されているわけではありません。
天候に恵まれてうに漁があったとしても、「売り切れ」ということはよくあることです。
漁港近くで営業されているうに丼専門店やお寿司屋さんは、概ね午前10時から午前11時前後に開店されるところが多いですが、仕入れることができたうにの量や当日の来客数によっては、お昼を待たずに「うに売り切れ」となることもあります。
確実に食べたいのなら、開店前には現地に到着して待つか、事前に予約を入れておくことをおすすめします。なお、店舗によっては予約不可となっている場合もあります。また、予約可能な場合は、席だけの予約ではなく「エゾバフンウニの丼を2人で」など、うにを食べる旨を伝えて、うにそのものを確保しておいてもらうことも大切です。
最盛期を前に 2024年のウニに異変 エゾバフンウニが全道的に極端な不漁