季語としての秋刀魚は 晩秋
秋刀魚といえば、思い浮かべるのは、秋。
秋は、日本での社会通念上、また、気象学的には9月〜11月の3ヶ月間を示します。
季語としての秋刀魚は、江戸時代には季語とされておらず、例句は現代に入ってからとされています。秋刀魚が晩秋を示す季語とされるのは、北の海から産卵などのために南下したサンマが、房総沖に達するのが10月頃とされ、この時期に関東地方で漁獲期に入り、食卓に上る機会が増えるためというのが通説のひとつです。
北海道ではお盆を過ぎると 一気に秋の気配
北海道では、寒くて盆踊り中に震える、などということも珍しくはありません。8月中旬にもなると、夜の気温は15℃を下回ってくることもしばしばです。
そんな頃、道東ではサンマ漁が活況となっています。
近年の大不漁
2015年、2016年と2年連続で全国的に不漁となり、各地で「さんま祭り」と呼ばれるような催し物の中止を余儀なくされニュースになったのも記憶にあたらしいところです。
2017年は、釧路港の初水揚げが前年の10倍、およそ2000キロを水揚げし、豊漁の期待が高まりました。
しかし、結果は全国的な不漁で、全国さんま棒受網漁業協同組合によると2年連続の不漁となった2016年よりもさらに30%も漁獲量を減らし、総量は7万7169トン、記録の残る1948年以降では69年の5万2207トンに次ぐ過去2番目の少なさとなってしまいました。
今年7月3日には、日本や中国など8カ国・地域が北太平洋の水産資源の管理について議論する北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合が開幕、日本は昨年に続いて公海上でのサンマの漁獲規制を提起。近年、中国や台湾の漁獲の急増による資源量の減少が懸念され、どうにかして乱獲を阻止したい考えですが、早速にも中国が「サンマは減っていない」と猛反発しています。
2018年 サンマ漁解禁
ことしのサンマ漁の解禁は、昨年と同様、7月8日からです。
といっても、いきなり一斉に出漁するわけではありません。
まずは 北海道の小型・10トン未満 刺し網漁船が先陣を切る
サンマ漁が解禁されると、まず、北海道の小型漁船が出漁します。
昨年は7月8日(土)に解禁、7月10日初水揚げが行われ、釧路港で2000キロ。翌11日に札幌市の中央卸売市場で、ご祝儀相場に近年の水揚げの少なさも手伝って、1キロあたり40万円の値が付き、過去最高額となりました。
小型刺し網漁船に続いて、5トン未満の棒受網漁船が15日、10トン未満の棒受網漁船が22日から出漁。
そして、8月20日頃には、サンマ漁の主力となる100トン以上の大型漁船によるEZZ(排他的経済水域)での棒受網漁が解禁され、道内各地の漁港に集まった大型漁船の船団が一斉に出港していきます。
早ければ 7月中旬には口にすることも…
このようにして、7月の初めころからスタートするサンマ漁ですが、7月中は漁獲量は多くはありません。
道民にとっても、7月のサンマはまだまだ高嶺の花です。
それが8月に入ると徐々に内陸地のスーパーでも、生サンマの入荷が見られるようになり、お盆を境にサンマコーナーがどんどん大きくなっていきます。大不漁だった昨年でも最終的に、中型で1尾150円〜200円、大型のもので250円〜300円くらいで買えるようになっていました。
気候変動や近隣国の乱獲などで不漁の続くサンマですが、どうにか資源を回復して欲しいと願うばかりです。
北海道のサンマの旬は 実は7月〜8月
すでにお気づきのことでしょう。北海道でサンマがおいしいのは、7月〜8月なのです。
夏のこの時期に、サンマたちは豊富なエサを求めて、北海道の東の沖合に集結しているのです。やがて、このサンマたちが徐々に南下、9月中旬から10月初旬かけて東北沿岸から関東に移動するわけです。11月になるとさらに南下して、東海地方、紀伊半島沖などでサンマが漁獲されるようになりますが、これらは「痩せサンマ」などと呼ばれ、産卵後で見は細り、脂乗りも少なくなってしまっています。
7月〜8月(遅くて9月中旬)くらいが、北海道でのサンマの旬で、漁法の関係で多く獲ることのできないこの時期は本州方面では高額で、多くは出回りません。
そこで、夏の期間に、道東方面に旅行される場合には「サンマ食ってけ!」となるわけです(笑)
ここからはじまった 生さんま丼! 鈴木食堂
行ってきましたよ。行ってないところのことは書きませんよ(普通だろ?というツッコミはなしで…)。
もちろん今年ではない8月22日、北海道の東半分をずず〜っと移動して、このようやく根室入り。そして、憧れの鈴木食堂さんに到着!
鈴木食堂さんでは、例年8月がさんま丼のメイン期間のようです ← 大事
聞け!者共!ここで生まれて、ここだけの味なんだ!(チョイチョイ出てくるけど、誰だよオマエ…)
昭和情緒あふれる店内の窓から望むオホーツク海。ロケーション最高です(写真曲がってるけど…許してちょんまげ ← 古)。
厨房とメニュー。ご主人がせっせとサンマをおろしていらっしゃいます。
サンマだけではなく、ホタテも推し。併設されているライダーハウスの常連さんには、ホタテカレーの大ファンも。
どーん!(いつもの)。
こちら、さんま丼と花咲ガニの鉄砲汁セットです。この鉄砲汁がこれまたンマイ。身がいっぱい詰まってるので、食べるのに必死。終始無言。
ずーん!(初登場)
さんま丼だけではなくて、塩焼きもありまして、さんま丼花咲ガニ鉄砲汁セット✗2にさんま塩焼きを1尾追加して、お二人で食べるとなお可(何が)。さんま丼と花咲ガニの鉄砲汁セットですが、鉄砲汁だけ売り切れということもありますのでタイミングを逃されませぬよう。
活ガニの刺し身!というのもありまして、超おすすめ。
お外で花咲ガニ売ってました。
大きくて立派です。手を入れてはいけません。
鈴木食堂 所在地・営業時間
所在地:北海道根室市納沙布岬36-10
電 話:0153-28-3198
定休日:冬季休業
時 間:7:30〜18:00(仕入状況等によって、早じまいあり)
駐車場:あり
ライダーハウスが併設されています。
ライダーの方々には、日本最東端の地(※)にある、聖なる食堂としてその名を知られているそうです。
※日本の最東端は南鳥島(東京都小笠原村 北緯24度17分12秒 東経153度58分50秒)で、海上自衛官及び気象庁職員以外の上陸は認められない。国の施設の工事等で民間人が上陸する場合は特別な許可申請が必要。したがって、一般の人が行ける場所としては、日本最東端といえ、もちろん離島を除く本土としては納沙布岬が最も東である。
重要「電話で確認しましょう」
7月初旬にサンマ漁が解禁され、道東方面の小型漁船から順に漁が開始されますが、根室漁港でのサンマの水揚げ開始時期、当日の水揚げの状況による入荷量など、時期によっては生サンマを食べることができないこともあります。
また、入荷量やその他の事情により、お店が営業時間よりも早く閉店となったり、休業されている可能性もあります。
鈴木食堂さんでは、例年8月がさんま丼のメイン期間のようです ← 大事
訪問される際には、あらかじめ確認をされますことをおすすめします。
夏でも寒いかも…
根室市の年間平均気温は6.3℃です。最高気温は、7月17,9℃、8月20.8℃、9月18.8℃で、最低気温は7月11.5℃、8月14.7℃、9月13.1℃となっています(気象庁統計1981年〜2010年平均)。
また7月から9月は降雨日も多く、霧の出ていることもあります。
風の強い日も多いことから、体感気温は2〜5℃程度低い前提となりますので、いわゆる夏の装いでは太刀打ちできない可能性が高いです(夏でも石油ストーブを焚いてるなどということも珍しくはありません)。
納沙布岬方面にお出かけの際は、念の為、風を通しにくい上着を持たれることをおすすめします。
交通
乗用車では、根室駅からおよそ23キロ、所要時間30分前後です。
鈴木食堂は納沙布岬の手前150メートルくらいの場所です。
また、納沙布岬へは、根室駅からバスが運行されています。
所要時間は約45分で、2時間に1本(11時台は2本あり)程度の割合です。
往路の始発は午前6時半、復路の最終は18時50分。ただし、土日祝は最終の運行がないなど期間によって条件が変わりますので、事前に確認をしてください。
料金は往復割引で、1,930円です。
それではまた次回に〜
現地へ行ったレポート部分だけ文体が変わるのはどうして?と聞かれました。
わかりません。と、答えました…(汗)