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美瑛町白金『青い池』発見と成立ち 冬のライトアップも美しい

美瑛町白金『青い池』発見と成立ち 冬のライトアップも美しい

photo aki kitsune

 

 青い池の成り立ち

2012年7月リリースのApple OSX Mountain Lion(Version10.8)で、15種類の壁紙のひとつとして写真が採用され、一躍世界的に知られた「青い池」。

2013年のiOS7、翌年のiOS8と同社のiPhoneやiPadの壁紙にも連続採用されたため、認知度はさらに上がりました。

青い池は、昭和63年(1988年)周辺140kmに渡って降灰させた十勝岳(標高2,077m、大雪山国立公園内の十勝岳連峰(十勝火山群)の主峰。活火山)の噴火による堆積物が火山泥流災害を発生させるのを防止するため、北海道開発局により平成元年6月から建設が始まった美瑛川本流の堰堤のひとつに水が溜まったもので、国土地理院発行の地形図では「水たまり」とみなされています。

治水や農業用水確保などのために作られた貯水池や人造湖などではなく、堤防の建設で偶然できたもので、「青い色の池がある」ことを最初に見つけたのは1997年、上富良野市在住のプロ写真家とされています。

美瑛町白金『青い池』発見と成立ち 冬のライトアップも美しい

 

 

  青くなる理由

この付近の湧水には水酸化アルミニウムなど、主に白色系の微粒子が含まれており、美瑛川本流の水と混ざることによって分散され一種のコロイドが生成される。水中に差し込んだ太陽光がコロイドの粒子と衝突散乱して水の吸収による青色の透過光が加わり、美しい青色に見えると言われている。

水の青さと立ち枯れた木々の幻想的な景観から、その存在がカメラマン等を中心に口コミで広がり、いつの頃から誰からともなく「青い池」と呼ばれるようになった。

 

美瑛町白金『青い池』発見と成立ち 冬のライトアップも美しい

 

 

白ひげの滝

美瑛川の上流、白金小函(美瑛町白金温泉街に所在)「白ひげの滝」という滝があり、この滝の水が青い池の源流といわれています。

この滝は、日本では珍しい渓谷の断崖にある溶岩層の裂け目から流れ出しているもので、十勝岳連峰の伏流水(比較的浅い場所にある透水性の高い砂礫層の中を流れ、扇状地や火山の山麓などで多く見られる)とされ、数多く流れ落ちる青みがかった水が白いヒゲにみえることから命名されたといわれています。

この白ひげの滝の滝壺や周辺の川面も、青色に見えます。

 

コバルトブルーに見えるタイミング

青い池は、水に含まれる水酸化アルミニウムなどの金属物質の濃度が高いほど濃い青色になるとされ、この濃度が上がる条件は「晴れの日が続くこと」です。降雨があると、雨の量にもよりますが青く反射するための成分が薄くなり、深い青からやや乳白色の青へとぼやけていきます。

また、太陽光の降り注ぐ状況によっても色は変化し、朝から午後の晴天時にとても綺麗な青色を見ることができます。

この記事に掲載している写真は、2012年6月3日午後2時から3時ころにかけて撮影したもので、5日前から降雨なし、6日前に2ミリ/日、8日前に3ミリ/日、9日前に22ミリ/日の雨を観測。当日は朝から、北海道の初夏独特の澄み切った空気と強い日差しが眩しい日でした(画素数があまり高くない当時のスマホでの撮影です)。

美瑛町白金『青い池』発見と成立ち 冬のライトアップも美しい

 

 

見学可能時間

冬期間を除いて、休日や時間規制はなく、いつでも見学が可能です。

冬期間は11月1日〜3月31日までライトアップ期間となり、午後9時まで見学できます。

悪天候などの理由により、時間の変更や入場規制が行われる場合があります。

なお、厳寒期は池の水が結氷します。例年春先まで凍結していますので、凍っていない青い池をご覧になりたい場合で、4月前後までの期間は事前に美瑛町のホームページ等で解氷状態を確認されることをおすすめします。

また、ライトアップ機材の撤収時など終日閉鎖となる日もありますのでご確認ください。

 

青い池・白ひげの滝ライトアップ|北海道美瑛町
青い池・白ひげの滝ライトアップ|北海道美瑛町

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白金青い池 :: 一般社団法人 美瑛町観光協会
白金青い池 :: 一般社団法人 美瑛町観光協会

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交通・アクセス

乗用車

旭川駅から40km 約1時間

旭川空港から28km 約35分

旭山動物園から41km 約55分

美瑛駅から17km 約22分

富良野駅から34.6km 約45分

札幌駅から145km 2時間50分

帯広駅から148km 2時間50分

 

公共交通機関

JR旭川駅から美瑛駅まで1時間に1本程度の列車が運行されており、所要時間は35分〜42分。美瑛駅からは道北バスで「青い池」下車(25分〜30分)。

旭川駅から道北バスで行くことも可能です。この場合、旭川駅→美瑛駅→青い池となります。旭川駅〜青い池間はおよそ1時間25分です。

バスの運行本数は1日7本程度です。復路の時間などを確認してから出発されることをおすすめします。

 

タクシー

美瑛駅から青い池まで片道4,970円(美瑛ハイヤー)。美瑛町はタクシーの絶対数が少ないため、現地で精算して降車してしまうと帰りに困る可能性が高いです。タクシーにそのまま待ってもらうか、タイミングよく美瑛駅行きのバスの時間が合うようであればそちらを利用します。

 

  • この記事を書いた人

aki kitsune

北海道札幌市在住です。ごはんと旅行が趣味です。

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