十勝管内の牧場で白い毛が生えたエゾタヌキが衰弱した状態で見つかり、おびひろ動物園が保護しました。
白いエゾタヌキ見つかる
おびひろ動物園によると、5月26日、十勝管内の牧場で白い毛が生えたエゾタヌキが衰弱した状態で見つかりました。保護されたタヌキは、エゾタヌキの若いオスで、通常4キロほどある体重は2.5キロほどしかなく、おびひろ動物園で治療を受けたものの翌27日に死亡しました。
エゾタヌキは、日本国内では北海道のみに生息している種で、体毛は茶色、目は黒い個体が一般的とされていますが、保護されたエゾダヌキの体毛は白く目は青く白っぽい状態でした。鼻先や肉球は黒かったことから、生まれつき色素を作ることができない「アルビノ」ではなく、突然変異で色素が減少して白くなる「白変種」とみられることがわかりました。
白変種はホワイトタイガーなどが知られていますがエゾタヌキの白変種の発見は過去に記録がないということです。動物園では貴重な個体であることから、今後、DNA検査などを実施して詳しく分析するということです。
NHK帯広放送局は、
野生動物の生態に詳しい帯広畜産大学の柳川久教授によりますと本州などに生息するホンドタヌキでは白変種が確認されていますが、エゾタヌキについてはこれまでに報告がなく極めて珍しいとしています。
柳川教授は今回のタヌキは若い大人の個体とみられるとした上で、「色が白いということは自然界で天敵に狙われやすく大きなハンデになるが、よくここまで成長したと思う。白変種のエゾタヌキは極めて珍しく資料としてもとても貴重だ」と話しています。
と報じています。