十勝岳の噴火
大雪山国立公園十勝岳連峰の主峰・十勝岳。
上川管内の美瑛、上富良野町から十勝管内新得町にまたがる活火山で、標高2,077m。日本の百名山・花の百名山に指定。
これまで、幾度と噴火を繰り返しており、記録の残る直近では1923年〜26年にかけて発生した大正噴火がある。1926年5月からの大噴火では岩屑なだれが起き、噴火から約3分で火口から2.4kmの地点にあった硫黄鉱山の平山鉱業所宿舎を推定速度 40m/秒で飲み込んだと云われ、死者・行方不明者144名を出した。
この噴火は、旭川市出身の小説家・三浦綾子氏の著作『泥流地帯』『続・泥流地帯』の題材となっている。
1962年、噴煙が高度12,000mに達する大規模なブルカノ式噴火が発生。この噴火では、火山弾の直撃などで死者5名を出した。人的被害は少なかったものの、大正噴火をはるかに上回る巨大なエネルギーが放出されたとされてる。
以降、83年〜87年の間小規模噴火を繰り返し、88年〜89年には小噴火が発生、美瑛町と上富良野町の住民300名が避難、この噴火によって90年(平成2年)まで、入山規制された。
気象庁は2014年12月、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げ、現在も継続している。
十勝岳への入山ルート
十勝岳への入山ルートは多く、白金温泉望岳台登山口(930m)・吹上温泉登山口(1,017m)・十勝岳温泉登山口(1,280m)など5合目付近まで舗装道路が整備されており、それぞれ駐車場も完備されている。
登山ルート上は比較的なだらかであり、夏季には一般登山者でも登頂しやすく、高等学校の登山学習などが多く行われている。
冬季間にあっては、新得方面からのルートや連峰を形成する他山からの縦走は難易度が高い。経験の豊富な熟練者でも、十分な準備と安全を確保した登山行動が必要である。
火口付近の一部は300℃を超える高温状態が現在も継続しており、火山ガスも含め、現地の規制や状況に応じて下山やルート変更するなど十分に安全を確保した行動が求められる。
吹上温泉登山口に接する 白銀荘
上富良野町史などによると吹上温泉は明治35年頃に発見され、同39年頃から民間の経営者などにより温泉施設としての運営が行われてきたようです。
昭和7年夏、政府が選定を進めていた大雪山国立公園のエリアとして十勝岳も有力候補として挙げられ、折から道路整備、車の運行、山スキー向けのヒュッテ建設などが行われており、吹上温泉の前途が有望なものになったことから町の有志で「吹上温泉株式会社」を設立。
太平洋戦争開戦後の昭和19年6月、営業を中止。
終戦後の昭和25年に再び白銀荘は一般解放されます。
昭和46年には十勝岳温泉道路から、旧吹上温泉を通り白金温泉に至る十勝岳観光環状道路が完成し一気に利便性が増すこととなりました。
平成3年、旧吹上温泉の露天風呂が回収され復活、平成8年に「吹上温泉保養センター白銀荘」として現在の建物が新築されました。
吹上の湯
白銀荘から徒歩5分ほどの場所にある吹上の湯は、昭和19年に廃業した吹上温泉株式会社の露天風呂で、そのまま放置されていたもの。
昭和63年(1988年)の十勝岳噴火以降、泉温が上昇したことで、近傍の人々や登山者などが「無料で入浴できる野湯」として利用し始めたことで、平成3年(1991年)町が整備に入り「吹上の湯」として設置されました。
富良野在住の脚本家・倉本聰氏ドラマ『北の国から ’95 秘密』で、田中邦衛さん扮する黒板五郎と、宮沢りえさんが演じる小沼シュウが共に入浴するシーンが放映されると、一気に知名度は全国区となり、 夏休みや休日には混雑するほどになりました。
青い池の人気で 増える旅行者
1997年、地元のプロ写真家によって発見されという「青い池」。
2012年7月にリリースされた Apple OSX Mountain Lion で、15種類の壁紙のひとつとして写真が採用、一躍、世界的に知られたため、旭川市旭山動物園〜美瑛の丘〜青い池〜白金温泉(白髭の滝)〜吹上温泉〜ラベンダー農園〜富良野という観光ルートが形成され、年を追う毎に観光で訪れる旅行者が増えています。
最近では、欧米の日本人気からアジア圏の観光客増加に拍車がかかり、オンシーズンには大変な混雑ぶりとなっています。
ここ、白銀荘や吹上温泉も、駐車場には多くのレンタカーが止まり、さらに道外ナンバーのキャンピングカーや乗用車の数にも驚かされます。
白銀荘へ
白銀荘の駐車場に到着したのは、7月某日の金曜日午後3時過ぎ。
この日の旭川市の気温は31℃、白金温泉付近でも28〜30℃ほどありました。曇り気味でしたが時折強い夏の日差しも照らし、地元の方々は「久しぶりに暑い」と話されていました。
吹上温泉のある白銀荘は標高1,000mを超える高地ですが、到着時には26℃と高い気温となっていました。
到着。
数年前までは考えられなかったほど、車も人も多くてびっくり。
受付カウンター。
日帰り入浴の場合はカウンター横の券売機で購入、宿泊のときは職員の方へ。
温泉施設への入口。
そこそこ急で、長い階段です。
足の不自由な方や車椅子を利用されている方は、レール式エレベーターが設置されていますので職員の方にお申し出ください。
階段を降りきると、自動販売機と休憩用の椅子などがあり、さらに奥側が温泉入口。
男性用脱衣場。
100円リターン式のコインロッカーが2式あります。サイズは小さいのでセカンドバッグと財布や腕時計などが入る程度と考えてください。ロッカーに入り切らない貴重品は、受付カウンターで預かってもらうことをおすすめします。
男性用のドレッサーは3口分、ドライヤーは無料で2台が備え付け。
上の写真の注書きにある通り「水着を着けて入る混浴の浴場」には間違えて裸で行ってしまわないようにくれぐれもご注意ください!
自分は目が悪く、過去、すっかり忘れて全裸で突撃してぶったまげて慌てて戻るとういうことを2度ほどやらかしています…
通常入浴の入口は、下の写真側です。
2階 休憩室
女性用の浴場入口の脇に、2階へ上がる階段があります。
休憩室の踊り場には、無料の冷水機(お湯とお茶もあり)、電子レンジ、ビールやカップ麺の自動販売機などが設置されています。
休憩室側。
着いたときにはほぼ満タンで、何人もの方が仮眠をされていました。
写真は少しあとで、空いた頃。
温泉
内風呂は、ヒバの木の浴槽・岩風呂・寝湯・打たせ湯とサウナ・水風呂があります。
露天風呂
白銀荘の魅力のひとつは、大きな露天風呂でしょう。
写真の左側が男性用です。
建物側の2つ見える岩風呂が高温湯で42℃〜43℃くらい、東屋風の屋根の横が広い浴槽で温度は38℃付近に保っているそうです。この温めのお湯がとても心地よく、のんびり長く入っていられます。
写真の中央は、水着を着用して入る区画です。男女共に入ることができます。水深が1mほどある浴槽や写真の中央下に見える「滑り台」が人気で、大人子供関係なく、わいわいと楽しんでいる姿を目にします。カップやお子様連れには最高でしょう。
そして、写真右側が女性用露天風呂で、浴槽は4つに分かれています。建物側2つが高温湯、屋根のある方がぬるい温度のお湯です。
冬場はもちろん雪見風呂が楽しめますし、夏の季節は足だけつけてぼんやりしたり、木製のベンチで昼寝をしている方もいらっしゃいます。
とにかく、のんびりくつろげる露天風呂です。
出典:吹上温泉保養センター 白銀荘公式より
泉質・効能
泉質:
酸性-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
効能(浴用):
神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・五十肩・痔疾・慢性消化器病・ 病後回復期・疲労回復・健康増進・動脈硬化症・慢性皮膚炎・切りきず・やけど・慢性婦人病・冷え性・虚弱児童
効能(飲用):
慢性消化器病・慢性胆のう炎・胆石症・慢性便秘・糖尿病・痛風・肥満症
所在地・アクセス・施設情報
所在地:北海道空知郡上富良野町吹上温泉
電 話:0167-45-4126
時 間:9:00〜22:00(入館受付は21:00まで)
入浴時間:10:00〜22:00 朝風呂は6:00〜8:00(宿泊施設利用者)
午前8時〜10時は清掃のため入浴不可
アクセス
JR旭川駅より普通列車で上富良野駅下車 約50分〜60分(運行列車による)
※ノロッコ号の運行もあり
ふらのバス ラベンダー号
旭川駅初〜旭川空港経由・富良野プリンスホテル行き 旭川駅からおよそ75分
富良野プリンスホテルからは、およそ45分
上富良野駅からは、上富良野町営バス十勝岳線(1日3便)、吹上温泉保養センター前下車 約30分
乗用車の場合は2ルートある。
旭川方面から:国道237号線で美瑛〜道道966号十勝岳温泉美瑛線で白金温泉を経由(道道966号線は10月中旬から5月中旬まで、美瑛方面からの望岳台ゲート〜白銀ゲート間が通行止めとなるため、冬季間は利用できない)
富良野方面から:国道237号線で上富良野〜道道291号吹上上富良野線で十勝岳温泉方面〜道道966号十勝岳温泉美瑛線
利用料
日帰り入浴:大人600円 中・高校生400円 小学生200円
回数券 12枚綴り 5,000円
水着レンタル 300円(男女共)
タオル販売 200円
バスタオルレンタル 300円
宿泊料
大人2,600円 中・高校生1,800円 小学生1,200円(入湯税含)
暖房料(11月1日~4月30日) 1泊150円加算
宿泊の食事は自炊のみ(自炊施設完備)
食材、調味料、はし等は持参のこと(施設での用意はなし)
ガス代20分 50円
予約は電話のみで受付
隣接野営場(キャンプ場)
テント泊 1張・1泊 500円
車中泊 1台・1泊 500円
炊事場、トイレあり
※上富良野町内の日の出公園オートキャンプ場とは異なるため、注意
Internet環境
上富良野町の提供する、自治体公共施設公衆Wi-Fi『らべとん Wi-Fi スポット』が利用可能。
吹上温泉保養所では白銀荘館内及びキャンプ場のある屋外でサービスしている。
SSIDは LAVETON-WIFI Passなし。
※暗号化接続のLAVETON-WIFI2 及び 災害情報用としてKAMIFU‐BOUSAIとKAMIFU‐BOUSAI2の運用がある。
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北海道上富良野町公式(行政)ホームページ|公共施設公衆WiFiサービス
町内主要公共施設、観光拠点等における公衆WiFiサービスのお知らせです。
続きを見る
LAVETON-WIFI 測定結果
当サイトで通常測定に使用している測定システムは、プロトコル規制等で利用ができないため別の方法で測定。
測定場所は、白銀荘2階休憩室
下り方向:4Mbps〜5.5Mbps / 上り方向:2.5Mbps〜3.35Mbps(中央値)
※宿泊者数、客室稼働数、宿泊者内訳(国内個人・国内団体・海外個人・海外団体・国内修旅・海外修旅などの宿泊区分要素)、日帰り温泉等館内施設及び周辺利用者、施設管理者自身による利用の可能性などLAN側の要因、また、上位回線のトラヒック状況など、様々な要因によって利用可能なインターネット接続帯域幅は影響を受けますので、上記測定結果は「参考」であることを御了承の上ご利用ください。
おまけ
駐車場から、男性用露天風呂が丸見えです。念の為…