襟裳のぉ 春はぁ〜♪ 濃霧〜♪
1974年、森進一さんが第16回日本レコード大賞を受賞した「襟裳岬(岡本おさみ作詞・吉田拓郎作曲)」で、一躍全国に名を知られた、えりも。
同年のレコ大各賞を見ると、ことし5月に逝去された西城秀樹さんの「傷だらけのローラ」や殿さまキングスの「なみだの操」、山口百恵さんの「ひと夏の経験」など世代的にビリビリ来る歌謡曲が並んでおります。
襟裳の気候
えりも町は春から夏の期間中とても濃霧が発生しやすいことで知られ、7月の1カ月間の日照時間は92.1時間(気象庁)、8月の平均最高気温は19.8℃と北海道内でも夏が最も涼しい地域のひとつに数えられます。
えりも岬は、日高山脈の南端部に位置し、岩礁は沖合7kmにまで及びます。
岬の周囲は海抜高度60mを超える断崖で、四段に及ぶ海岸段丘を形成しています。
強風の岬
全国で、風速の計測が行われている900以上のアメダス地点で、山岳地帯を除いた年間平均風速が最も大きい観測点がえりも岬です。
年間平均風速は8.2m/s(気象庁:1981〜2010年)、風速10m/s以上の日が年間290日以上もある稀有な土地です。
襟裳岬灯台
襟裳岬灯台は、海抜高度73m、光達22海里(40.744km)、実効光度72万カンデラ、15秒毎に1閃光の単閃発光。レンズは第3等大型フレネル式。1889年に初点灯した際は、第1等灯台でした。現在、日本国内の第1等灯台は5箇所しかありません。
第二次世界大戦中の昭和20年(1945年)7月15日、爆撃により破壊。終戦後の昭和25年に再建されています。
平成17年(2005年)4月1日、無人化(この日まで灯台守の職員が常駐していました)。
昆布と緑化事業
襟裳岬周辺は古くから質の良い昆布の産地として知られ、江戸後期には和人が移住。明治以降、開拓者も加わり生活のための薪として海岸林の伐採がはじまり、同中期には牧場地の開拓と紙パルプ原料として樹木の乱伐が行われた結果、植生が破壊され禿山同然まで荒廃が進みます。
放置された荒れ地は強風で多くの砂塵を巻き上げ、海中に砂が堆積し昆布が生育しなくなり、鮭をはじめとする回遊魚も周辺を避けてしまうことで、さまざまな漁業資源が枯渇状態に陥りました。
環境破壊の実態を重く見た林野庁は、1953年から治山事業に着手。砂地に種子を撒く取り組みを開始しますが、強風のために吹き飛ばされ生育できませんでした。しかし、様々な工夫と地道な努力により、1999年度末、40年以上の歳月を経て、荒廃地面積の89%に相当する170ヘクタールに及ぶ緑化事業を終え、黒松を中心とした樹木と多くの草木が生育する緑地が広がっています。
この緑化事業で、いまや世界的に名高い日高昆布(ミツイシコンブ)の資源は回復、数多くの魚類やバフンウニなどの豊かな海洋資源に恵まれる地域に復活しました。
これらの事業は、NHKのプロジェクトX・第43回放送「えりも岬に春を呼べ 〜砂漠を森に・北の家族の半世紀〜」として、2001年3月6日に放送されました。
現在の襟裳岬は豊かな自然環境に恵まれ、ゼニガタアザラシの最大生息地としても知られています。
飯だ!めしだ!えりも岬だ!
7月12日、えりも岬に行ってまいりました。
不順な天候の続いている北海道ですが、11日には久しぶりの快晴となり、12日のこの日、太平洋側でも雲は多いながら晴れ間も見えるまずますのお天気でした。
だがしかし。えりも岬の突端に近づくにつれ、徐々に視界が…
到着!はい、よく見えまふぇん。
えりも岬観光センター
2016年1月にむてき食堂さんが火災のために閉店されてから、えりも岬周辺でお昼を食べることができるのはえりも岬観光センターだけになってしまいました。
店内
バフンウニさんゴロゴロ
つぶに、毛ガニに、ボタンエビ。みんな生きてるよ!
食堂コーナーとお座敷
握り寿しも
おすすめ!えりも岬名物ラーメン!
こちらがイチオシの「えりも岬名物ラーメン」。
襟裳で水揚げされた『名物』入り。この日は、タラバガニ・つぶ・タコが入っていました。
ラーメンのお味は、味噌・しょうゆ・塩の3種類ありますが、我々のおすすめは「塩」一択。魚貝の風味との相性がとても良く、とにかくおいしいスープでした。
これが990円ですよ!観光地ですよ!(執筆当時のためお値段が変わっている可能性があります)
そして、バフンウニ丼!
もはや説明不要…
メニュー
当然ですが、お刺身や焼き物も大変美味しゅうございまして、つい一杯…となるので、くれぐれも運転をされる方はお気をつけください。
お店情報・アクセス
所在地:北海道幌泉郡えりも町字えりも岬181(えりも岬第2レストハウス内)
電 話:01466-3-1666
営 業:夏期 8:00〜18:00 冬期:9:00〜17:00 1月4日〜3月中旬まで休業
乗用車:
札幌から道央道・苫小牧東ICから日高自動車道・日高門別IC → 国道235号から国道336号を南下、えりも町本町市街地へ(約4時間) → えりも町本町市街地から道道34号(襟裳公園線)で15分
バ ス:
札幌から道南バス「ペガサス」号にて浦河ターミナル(3時間半) → 浦河からJRバス「様似」方面行き乗車(30分) → JR日高線様似駅にてJRバス「えりも岬・庶野・広尾」方面行きに乗り換え(1時間)「えりも岬」下車、徒歩3分
JR日高本線は低気圧や台風による度重なる高波などの被害により鵡川〜様似間が運休中でバスによる代替輸送が行われています。日高本線の鵡川〜様似116キロ区間の復旧は困難であるとしてJR北海道が廃線を予定しているとしており、大正12年からの歴史に幕を閉じようとしています。
おみやげ・おまけ情報
店内の生け簀で販売されている、ウニや毛ガニをはじめとする魚介類は地方発送が可能です。
おみやげコーナーの商品は充実していて、特産の昆布もお安く販売されています。
お手洗へ行く階段で階下に降りると大きな座敷席が2部屋あり、団体のお客様もOK
魔法の粉
食べ物を美味しくするという「魔法の粉」。食堂の各テーブルにも備えられておりまして、売店でも販売しています。
この魔法の粉、一体何者?とよく見てみると原材料「昆布」(笑)
つぶ焼き串
店舗入口で売ってる「つぶ焼き串」。
これがまたンマイ!
ただし、1粒がとても大きくて、よく噛んできちんと噛み切ってから飲み込まないとエライ目に遭いますのでご注意を(エライ目に遭った人談)。
それではみなさん、また次のお店で〜